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Mr.ロジスク

なぜ「考えられない」人間が多くなったのか?

更新日:8月24日

こんにちは、個別指導塾ロジスクです。


私の実感ですが、日本国内で老若男女含め、かつてこれほど考えることができる人間が少なくなった時代はないのではないでしょうか。この表現は、わかる人にはわかってもらえると思いますが、今回「なぜ考えられない人間が多くなったのか?」について、私なりの意見を書いていきたいと思います。


「教育」「情報」「意識」の3つの視点で考察していきます。




「教育」の問題


日本の公教育は基本的に「一問一答」形式。設定された問題を正確に多く解ける、処理能力が高い人が高学歴、エリートになる仕組みです。そこには「その問題設定は適切か?」「他の角度で考えると、どのような結論になるか?」など、実社会で問われる疑いながら考えを広げ深める力、いわゆる『批判的思考(クリティカル・シンキング)』を育てる哲学はありません



大手の進学塾では、分厚ーい問題集を無批判に徹底的にやらせるような「教育」が一般的。しかしそれで受験に合格できてしまうので、その「難関校への合格者数」を打ち出すことでビジネス的には大いに成り立ってしまう現実があります。


ただこれは本当に「教育」と呼べるものなのか、本来育てるべき能力育成を放棄してまでやらせることなのか、本気で考えなければいけないタイミングだと思います。


このような「教育」を10歳代で徹底させてしまうことで、高い次元で論理的に考える習慣がつかないことはもちろん、その必要性も感じることができないので、社会人になっても「考えることができない」状態がずーっと続きます。




「情報」の問題


まずは日本国内どのメディアから出される情報も、特定のイデオロギー(主義・思想・信条)をまとった「偏った情報発信」であると知るべきです。偏った情報をとり続けると、他の情報や考えを受け付けなくなってしまいます


例えば、安倍元首相の「桜を見る会」問題について、朝日新聞は「5年間で916万円の支出」などインパクトのある批判的な記事や論評を多く出していた一方で、産経新聞は「費用は参加者の自己負担」と言った擁護姿勢の記事が目立ちました。朝日新聞のディープなユーザーは「アベガ-」と言って徹底的に安倍批判をし、産経新聞の購読者層は「安倍首相は日本を護る偉大な総理大臣で…」という姿勢を一貫していました。



何が正解かなんてものは一概に言えることではないので、基礎的な知識や教養を身に着けた上で、多角的に情報を入れて自分なりの結論を出すことが大切です。が、この例のようにある一方、一定の情報を鵜呑みにしてしまう傾向が、現代日本人は特に強いと感じます。上に書いた、広く深く考えることをしない「教育」の悪い意味での『成果』なのかもしれません。


またメディア自体、あくまで営利企業なので、スポンサーである特定の業界や企業、団体に有利な情報発信をしたり、逆に不利な情報を流さないということもあり得ます皆さんの中にも「この情報おかしいな」と思うこと、時折あるのではないでしょうか。おかしいと思うことを突き詰めることが「学問」であり、「考えること」です。思い当ることがあればぜひ自分なりに調べてみましょう。




「意識」の問題


ひとつの事例から話します。講師研修の時に「あなたは、なぜ大学に通っているの?」という質問を振ることがあります。ほぼすべての講師が「良い会社に就職するため」「やりたいことがあるから」など個人的な理由や目的を言ってくれます。それ自体悪いことではないのですが、「そもそもなぜ大学に通えているのか」「そこで関心ある分野の学問ができるのか」「その大学卒はなぜ就職に有利になるのか」を追加で考えてもらいます。



『あなたの学力や授業料を支払っていることはほんの些細なことで、それまで大学が培ってきた多大な業績があって、多くの公的な資金、要するに税金が投資され続けているからこそ、現時点で良い環境で学べて、関心ある分野で高いレベルの学問ができる。そういったものの積み重ねがあって多くの優秀な卒業生が社会で活躍している。そのおかげもあり、自分たちの世代も良い条件で就職活動ができるのでは。こういったものに感謝や敬意をもって日々活動している?』



このような話しをすると皆閉口してしまいます。が、自分がどれだけ個人主義に走っていたかと思い直してもくれます。一例ですが、このような個人主義が日本社会全体を覆ってしまっていることも、考えなくなった原因の一つと考えられます。多くのことを考えずに、自分や自分の周囲のことだけを考えることは楽ですから。この「自分だけ」という風潮は恣意的に作られているとさえ言えるレベルで浸透しています。


もともと日本人は他者や自然を慮れる民族。部分最適でなく、全体最適を目指す思考を一人ひとり意識することで、人間関係の改善だけでなく社会全体の活力にもつながっていくと思います。





 


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